食品メーカーに4年半勤めて辛かったのは、携帯電話のせいで休日が休日でないことです。仕事は辛かった事がたくさんありましたが、携帯電話がなかったらよかったのにと思うことが多々ありました。会社支給の携帯電話についてしんどかったことを紹介します。
携帯電話はいつでも出るのが当たり前
営業職をしていると、お客さん・上司・社内の関連部署など、色んな人とどこでも連絡が取れるように携帯電話を支給されていました。
会社から支給される携帯電話は、便利ですがとても生活を縛ってきました。
絶対に携帯電話に出なくてはいけない理由
他の業界の携帯電話事情は分からないですが、自分を含めて、食品メーカーの知り合いは休日であっても絶対に出ないといけない人ばかりでした。
すぐに電話に出ない営業マンは、取引先から文句を言われ、社内からも文句を言われ、連絡がつかないとレッテルを貼られます。信用が落ちて仕事が全く進まなくなってしまうのです。
食品メーカーでも特に、賞味期限が少なく毎日配送している業界では、商品の配送状況やお客さんからの発注変更、突発の大量注文への対応などで、すぐに連絡が取れないといけません。
食品メーカーの営業でも色々な取引先がありますが、僕は直接取引のスーパーへの卸営業と、卸売業者への取引を担当していました。担当のスーパーは基本的に土日祝日も営業で、僕が勤めていた会社でも土日祝日問わず毎日商品を配送していました。
配送のミス、クレーム対応、欠品対応など、自分が勤務中ではなくて、自分がミスをしていなくても、発生する仕事があります。誰も代わりに対応してくれることはなく、担当のお客さんとのやりとりは基本的にすべて自分で対応しなくてはいけません。
もし、トラブル発生時に携帯電話に出なければ、後日収拾のつかない状態になってしまいます。新人の頃は、トラブル発生時に携帯電話の電源が切れていて、気づかなかったことがありました。
僕につながらないので、上司に連絡がいったようで、お客さんはトラブルの内容に加えて、僕と電話がつながらないことにも苛立って、ブチ切れ状態でした。もちろん上司からも説教を受け、お客さんからは信頼を失い(新人だったので何とか許してはもらえた)、関係の修復にはかなりの時間と労力がかかりました。
平日の出勤前、退社後でも携帯電話に出なければいけない
朝、出勤する前であっても携帯電話にも出ないといけませんでした。朝ごはんを食べて準備をしている間も、電話があれば対応しなくてはいけません。
「出社してからでいいや」と思って30分後とかに出た時も「何ですぐ出ないんや!」と怒る人もいて、早朝から働いている人からすると、こちらの出勤時間なんて関係ないんだなと思いました。
退社後も同じで、仕事が終わって家でゆっくりしていても急に電話がかかってくる事があります。大した事のない用事の場合もありますが、重大クレームの可能性もあるので、家でリラックスしていたのを中断して、電話対応しなくてはいけませんでした。
もちろん休日でも携帯電話に出ることは必須
気をつかってくれるお客さんは、休日には基本的に電話をかけてこないですが、緊急時はそうはいきません。
反対に、休日でも関係なく電話をかけてきて出なければ後でグチグチ言ってくるお客さんもいます。
どちらの場合でも携帯電話に出なければ、後々の業務に支障が出てしまい、修復が大変です。休みであっても会社の携帯電話は電源を入れて、常に持ち歩く事が必須でした。
休日の朝も携帯電話が鳴っていないか気になってグッスリ寝る事ができず、起きて携帯電話が鳴ってないか確認して、安心して二度寝して、また確認して…といった具合で気持ちが常に休まらない状態でした。
休みの日は仕事のことを気にせず休みたいと思っていましたが、ずっと仕事に縛られているようで、休日の一日通して仕事のことを忘れられた日は、ほとんどなかったです。
休日に携帯電話の対応をしないで良い方法はなかったのか
お客さんに上手く言って電話にでないようにしたりすれば良かったのでは?と思うかもしれません。
自分で見つけられなかっただけで、いい方法があったのかもしれません。ですが、僕はメンタルもあまり強くなく、次の日から怒られたり、電話に出るだけで関係が悪化しないなら…と思って対応していました。
でも、食品メーカーの友達と遊んだり、飲んだりしていても他の子の携帯が鳴ったりするのは日常茶飯事でした。みんな対応していて、無視して放置する友達はいなかったです。
友達だけでなく、年上のおじさん営業マンたちも休日でも電話に出ていました。みんなが出るので、自分だけ出ないというわけにはいかなかったのです。
会社支給のipadが行動を束縛する
2016年の後半、入社して2年半ぐらいしてから、ipadが支給されるようになりました。社外でも社内のネットワークを確認したり、メールをみたりできるようになって、営業先でも資料が見れて便利にはなりました。
でも、これも休日や業務中まで自分のことを縛ってくる要因になるのです。
情報をipadで常に確認していることが前提になる
車営業だったので、ipadが支給されるまでは、外で休憩したり息抜きしてから社内に戻って社内の情報やメールを確認していました。
でも、外でも社内の情報やメールを見れるようになっているので、確認していないと、「何で見てないの」と小言を言われる要因になっていました。
一度外出すれば、車の中や外出先で息抜きできるのが、外回りの営業の唯一のいいところでもあったのに、それすらもなくなってしまうことになりました。
それに加えて、ipadも携帯電話と同じく個人への支給だったので、もちろん休日も確認しておかなくてはなりません。休日明けに出勤した際、何も情報を見ていないとなると、これは怒られる案件です。
よっぽどの重大なことは携帯電話に連絡がくるので、大クレームや事件になったりはしませんでしたが、ipadを確認しなくてはいけないという休日の制約が増えました。
会社支給の携帯電話やipadといった通信手段は良いようで良くない
携帯電話もipadも会社負担で支給してくれていました。業務をする上で必要、便利なアイテムでしたが、休日にも携帯して確認していなくてはいけませんでした。
プライベートに仕事を持ち帰りたくなかったので、休日にも仕事のことを考え続けなければいけない状況はとても苦しかったです。
営業自体はそこまで嫌いではなかったけれど、休日が休日でなくなるのは、営業辞めたいなって思う原因でした。