僕が勤めていた会社は一族経営で二世が社長をしている会社でした。非上場なので、外から経営陣に口出しする人もいません。
なので、社長・副社長、そのバカ息子たちの、思いつきのような考えもダイレクトに末端まで影響を受けます。
4年間働いて、ヤバいだろうと感じることをたくさん見てきたので、一族経営・家族経営の会社に勤めるメリットとデメリットを書いていきます。
一族経営の会社に勤めるデメリット
僕は一族経営の会社で4年半働いて、一族経営の会社がとても嫌いになりました。実際に働いていた一社だけの話ですが、上場していない一族経営の会社で、二世が社長をしている会社のサンプルとして参考にしてもらえると幸いです。
社長・副社長らの一族に意見できる幹部がいない
一族経営の会社では、社長・副社長に意見することのないイエスマンたちで幹部は構成されています。
多少は意見をすることがあっても、一族の機嫌を損なわないような、反対意見を言わずに、一族に好かれている人しかいません。
だれも一族に反対意見を通そうとしないので、一族の思いつきの無理難題がダイレクトに現場に落ちてくることが多いです。
勤務時間外の社内行事が多い
一族で経営しているので、家族行事を持ち込んだような社内行事が多いです。
時間外手当無しで、お歳暮の抽選会や、指定図書の読書感想文を発表する会、勤務開始前の強制掃除など。
他にも誰かが絶対行かないといけない、ボランティア活動や、芋掘りもありました。
とにかく、意志を持って避けようとしても、どうしてもプライベートの時間が削られます。
決裁権が現場にない
一族経営の会社でも、社長や副社長らが社員を信頼して、決裁権を現場に与えている会社は、まだ働きやすい会社だと思います。
でも、全く社員のことを信用しない一族経営の会社はヤバいです。まとまったお金を使う場合は、現場に決裁権がありません。
なので、たとえ千円だったとしても決裁を一族に見てもらわないといけないので、仕事が全然進まないです。
また、部長クラスでも決裁権がないので、あまり自発的に自分事で仕事を考える上司が少なく、尊敬できる上司が少ないです。
企画決定権も現場にない
社員が満場一致で、良いと思った企画や、パッケージなどができたとしても、一族が気に入らなければ即やり直しです。
なので、どんなに企画やパッケージのメリットをプレゼンしても、一族の好みにハマらなければ流れてしまいます。
一族にセンスや聞く耳があれば良いのですが、勤めていた会社にはありませんでした。
優秀な企画者やデザイナーはどんどん辞めていって、一族が気に入るような物しかできない状況に進んで行っていました。
無駄な会議だらけ
一族経営の会社では、すべての決裁が一族を一度通らなければ進まないです。
特に、僕が勤めていた会社では社員のことを信用していない一族だったので、とにかく無駄な会議が多かったです。
会議ではなく報告会に近いようで、出る意味などない、報告書だけ出しておけば済むような、不必要な会議ばかりでした。
自発的に考えて、部下を統率できるような優秀な上司はほとんどいないので、丸投げのいいなりで、会議のためだけの無駄な資料作りも頻繁にさせられましたね…。
一族に好かれればOKと考えるやつが多すぎる
一族経営の会社では、本気で職場を働きやすく、良い仕事をしようと考えている役職付きの人はほとんどいません。
ちゃんと仕事のことを考えて行動している人ほど、一族よりもお客さんや現場のことに必死で、忙しくしているので評価が低く、肝心の仕事はあまりせず、一族のご機嫌取りを優先している人のほうが評価が高いのです。
そんな評価形態なので、頑張る人ほどバカを見ることになって、優秀な人から辞めていきました。必然的に一族を優先する人ばかりになっていきます。
一族経営の会社に勤めるメリット
デメリットもたくさんある一族経営の会社ですが、うまく使えばメリットもあります。場合によっては働きやすいこともあるのではないかと感じたので、紹介していきます。
一族に好かれれば勝ち組
一族経営の会社では、一族に好かれることができれば勝ち組です。
一族に気に入られていれば、少しぐらい仕事ができなくても、評価が悪くなることは滅多にありません。むしろ頑張っている人と同じ評価にまでなることも多いです。
普段からよく話していて、気に入っているから評価は勝手に上がるのです。
一族が気に入っている社員のことを、悪い評価をつけるものなら、評価をつけた上司が一族から怒られます。
なので、一族から気に入られてしまえば、上司から悪い評価をつけられにくくもなります。
黙って一族に従えば何も文句を言われない
適当に議論したフリをして、一族の考えに沿った内容で仕事を進めれば、何も文句を言われないので、色々考えなくて済みます。
自分で一から調べて、良い企画を作ったりする必要がないんです。一族が気に入りそうなことを提案すれば問題ありません。
企画がもし外れても、一族が気に入って決めたことなので、責任もあまり降ってこないです。
しかも黙って従えば、「話のわかるいい社員だ」と思われて評価も上がって一石二鳥でしょう。
二世、三世の会社なら今すぐには潰れない
なんだかんだ保守的なのが一族経営で、特に二世・三世の場合は顕著です。
親から譲られた会社を自発的に、今すぐに畳んで「ハイおしまい」とはしないでしょう。
状況を見ながらではありますが、とりあえずぶら下がっておくことは容易な場合も多いです。
一族経営のメリット・デメリットを分かった上で働いた方がいい
一族経営の会社を経験したから分かったことですが、株主がいたり、経営陣が自分の意志で社長・副社長と対等に話せる会社でなければ、破茶滅茶なことが起こることに間違いはありません。
よほど優秀な社長・副社長なら問題ないかもしれませんが、特に二世や三世が経営者の場合は最悪です。僕の勤めていたところの二世社長は、カリスマ性もなければ、ただのわがままお坊ちゃんでした。
社員の距離が近くて社長・副社長のわがままっぷりを体験できたのは、貴重な経験でしたので、改めて一族経営の会社のメリット・デメリットを考えた上で、会社選びは検討したいです。
まとめ
- 一族経営の会社は、一族を優先すれば評価が上がりやすい
- どんなに良い企画や商品でも、一族の好みからズレていたら認められない
- 一族経営の会社で働くには無駄なことも我慢できる忍耐力が必要
- 一族の方針に黙ってついていけるなら楽に働ける